伝音セミナー

平成24年度後期 伝音セミナー

日本の希少音楽資源にふれる

京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センターでは、平成24年度後期セミナー「日本の希少音楽資源にふれる」を下記のとおり開催します。
後期セミナーでは、全6回それぞれのテーマに沿って、SPレコード等に残された迫力ある演奏を紹介し、昭和の時代には身近に存在していた雅楽、琵琶、浄瑠璃、民謡、わらべうた等に解説をくわえながら、歴史を振り返りつつ、これからの伝統音楽の方向を探っていきます。
日本の伝統音楽などの市民講座に参加するのは初めてという方にも気軽に受講いただける無料セミナーですので、多数の御参加をお待ちしております。

平成24年度後期開催スケジュール

*各回とも午後2時受付開始、会場は日本伝統音楽研究センター7階合同研究室1です。

第5回 10月4日
(終了しました)

「上方歌舞伎の録音を聴く‐『雁のたより』‐」

文政十三年(1830)大坂角の芝居のこの替り狂言「けいせい雪月花」 にて上演された三代目中村歌右衛門(金沢龍玉)作「雁のたより」は、 江戸後期上方歌舞伎の世話物を代表する作品として、代々上方の役 者や囃子方の間に受け継がれてきました。今回は、大正四年(1915) に発売された初代実川延二郎(二代目延若)主演「雁のたより」の SPレコードを中心に聴きながら、上方らしい囃子とは何かについて 考えてみたいと思います。

進行役:前島美保(日本伝統音楽研究センター非常勤講師)
第6回 11月1日
(終了しました)

「岡本文弥の新内節を聴く」

岡本文弥(1895〜1996)は、古典の演奏のみならず、稀曲の復活、 研究や啓蒙のための著作活動、作曲など多方面で活躍した新内節の 功績者です。学生時代に東京の文化堂レコード店や演奏会場で落手 した「文弥手作り私家版テープ」を使用し、名曲「明烏」などを聴 きます。

進行役:竹内有一(日本伝統音楽研究センター准教授)
第7回 12月6日
(終了しました)
特別講演「ロシアにおける日本音楽への関心」

近年、ロシアでの日本伝統音楽への関心が大きくなってきています。 そのブームを牽引してきたのが、モスクワ国立音楽院の日本伝統音 楽グループ「和音」です。第7回では、ロシアでの日本伝統音楽の 受容状況を、講師自身による体験談や筝・三味線の実演を交えなが ら紹介します。

進行役:
ナタリア・クロブコヴァ(モスクワ国立音楽院主席研究員・日本伝統音楽研究センター招聘研究員)
第8回 1月10
(終了しました)
「義太夫三味線の表現」

義太夫三味線は太夫の語りと共に「義太夫節」を演奏し、近世演劇 としての「人形浄瑠璃」の舞台を形作ります。戯曲世界リ-ドす るのは太夫の役割ですが、三味線は文章に表れない、場の雰囲気の 描出、浄瑠璃の足取り等を弾き、最終的には「情」を表現します。 義太夫三味線の独特の表現世界を演奏者自身の言葉も交え、稀少な 音源を用いて探ってみます。

進行役:後藤静夫(日本伝統音楽研究センター所長)
第9回 2月7日
(終了しました)
「昭和後期"現代音楽"の発掘」

当センターの資料庫には、60年代〜80年代に録音/発売された"現代音楽のLPレコードが多数眠っています。これらは、日本の作曲家作品の評論家、富樫康(1920〜2003)氏旧蔵の資料です。第9回では、富樫氏旧蔵資料のなかから、日本人作曲家による昭和後期の作品、とくに和楽器を取り入れた作品や日本伝統音楽の音階やリ ズムを採り入れた作品を聴いてみます。

進行役:田鍬智志(日本伝統音楽研究センター准教授)
第10回 3月7日
(終了しました)
「祇園小唄の世界」

映画主題歌として昭和5年に生まれた「祇園小唄」は、数ある京都 の唄の中でも古典といえます。ヘ月はおぼろに東山一で始まるメロ ディーは、誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか。しか しこの曲に続き、多くの「○○祇園小唄」が生まれたことは、今で はほとんど忘れられています。今回は「祇園小唄」の世界へ、皆さ んをご案内いたします。

進行役:大西秀紀(日本伝統音楽研究センター非常勤講師)



最終更新日:2014/3/6 | 公開日:2012/3/28