伝音セミナー

平成20年度前期 伝音セミナー

日本の希少音楽資源にふれる―SP盤にきく幻の音

京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センターでは、平成20年度前期セミナー「日本の希少音楽資源にふれる―SP盤にきく幻の音」を開催します。
日本の伝統的な音や音楽種目である雅楽、琵琶、浄瑠璃、民謡、わらべうた等は、生活や嗜好の変化に伴い、耳にする機会が少なくなっています。このセミナーは、SPレコードに残されてきた迫力のある歌や演奏等を紹介して、広く親しんでいただくとともに、そうした希少な音楽資源からアプローチして、未来の伝統音楽の方向を探っていく試みです。第1回は明治大正期の能、第2回は花街のうた、第3回は祭礼囃子、第4回は俗謡といった希少音源に耳を傾け、じっくりご堪能いただけます。
ぜひとも御参加いただき、日本の伝統音楽をお楽しみ下さい。

平成20年度前期開催スケジュール

*各回とも午後2時受付開始、会場は日本伝統音楽研究センター7階合同研究室1です。

第1回 5月8日(木)
(終了しました)
明治大正期の能の名手たち―謡と鼓を中心に
これまで神話のように語られてきた明治大正期の名手たちの録音が今、SPレコードによって蘇りました。現代の謡や囃子と一体どこが違うのか、この百年の変化を具体的に示してみたいと思います。

進行役:藤田隆則(センター准教授)
第2回 6月5日(木)
(終了しました)
花街のうたを聴く―近代日本の女性ボーカリストたち―
芸妓・舞妓さんで知られる花街。かつては各地の都市に存在し、劇場音楽や地歌、民謡から流行歌まで様々な音楽の伝承センターでした。その文化的社会的役割を音楽の伝承・保存・規範といった観点から考えます。

進行役:竹内有一(センター准教授)
第3回 7月3日(木)
(終了しました)
祭礼囃子のSPレコードをきく
佐原祭り(千葉県佐原市)は日本を代表する祭礼の一つで、そこで囃される佐原囃子は、数ある日本の祭礼囃子の中でも名高いものです。民俗芸能としては珍しく、佐原囃子では戦前から多数のSPレコードが制作されてきました。今回はそれらを聞き比べながら佐原囃子の魅力に迫るとともに囃子の変遷についても考えてみたいと思います。

進行役:田井竜一(准教授)
第4回 9月4日(木) 俗謡―端唄・小唄・俗曲など―を聴く
人情の表裏に通じた市井の人々が支えてきたこざっぱりと垢抜けした上品な色気と遊び心が溢れる小粋な俗謡の中から当センターにある稀少音源を聴きます。日本人の洒落た遊び心の結集とも言えるこれらの俗謡は、劇場ではなく「座敷」という日常の社交の場で楽しまれてきました。殺伐とした今だからこそ忘れかけていた「粋」の心をじんわりと蘇らせたいと思います。

進行役:久保田敏子(センター所長)
最終更新日:2010/9/14 | 公開日:2008/4/22