■日時 | 2006年7月6日(木)14-16時 |
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■担当 | 田井竜一 |
■協力 | 亀村正章 |
「第2回 国際文化振興会レコード(KBS) その1
昭和18〜19年に制作された「日本音楽集」の中から、民俗芸能および民謡関連の録音をききます。また、祇園祭りの時期ですので、最初期の祇園囃子の録音もご披露します。どのような音が鳴り響くのか、ご期待ください!」
国際文化振興会によって、昭和18〜19年に制作された「日本音楽集」は、日本音楽の全種類にわたり代表的な作品を網羅して、レコードにおさめることを意図したものであった。編集委員には、黒田清・田邉尚雄・町田嘉章などがいた。この事業は、戦争によって日本音楽の多くが壊滅しても、その全貌を後世につたえる事を目的とし、また平和が回復した時に、日本音楽とは如何なるものかを広く海外にしらせる目的もあったという。こうした壮絶なまでの制作意図は、当時の社会・文化的状況を如実に感じさせるものとなっている。既に社会・経済的には困難な事態になっていたにもかかわらず、こうした大規模ですぐれた内容の日本音楽のアンソロジーが編纂されたことは、おどろくべきことであり、その価値は現在でも非常に高いといえよう。
今回紹介した民俗芸能および民謡関連の録音は、町田嘉章の担当とおもわれるが、選曲・演奏・録音が良く、対象の性格や特質を把握・理解しやすいものとなっている。また、歌唱法などには現在きかれないものもあり、参加者にはたのしんでもらえたこととおもう。また、当該の演目に関する、担当者の民俗芸能・民謡調査での成果・経験談も好評であったようである。 民俗芸能・民謡の豊かさを改めて感じたという感想もあり、田邉コレクションには「日本民謡レコード」もおさめられているので、機会をみてそれらも紹介したい。
約20名