日本伝統音楽研究センター

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京都祇園祭り 鶏鉾の囃子

凡例

日本語要旨

0 はじめに

1 概況

2 担い手

3 曲目と旋律パタン

4 囃子の機会

5 楽器とその奏法

6 演奏の実際

7 口唱歌・譜

8 伝承過程

9 囃子の変遷と意味付け

10 鶏鉾における囃子の特色

謝辞

文献資料

音響資料

映像資料

English summary 英語要旨

 

 

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2 担い手

囃子をはやす者を囃子方といい、 鶏鉾の保存団体である財団法人鶏鉾会の一組織となっている。囃子方は、 鉦方・太鼓方・笛方の 3 つに大きくわかれている。 2000 年度現在の構成員は、 鉦方 9、太鼓  9、笛 16である。その運営は、責任者 1、世話役数名でおこない、運営費用は町内からの助成、お礼その他でまかなう。

囃子方への加入は紹介制をとっており、町内に関係者がいることが条件となる。そして、最終的には 財団法人鶏鉾会の理事会の承認をえることになる。 現在の囃子方には、町内出身者は少なくなっている。ただし、かつては町内にすんでいた人など、何らかの形で町内と関係をもっている。その居住地は、いくつかの例外をのぞいて、ほとんどが京都市内である。中には、 3 代にわたって囃子方をつとめている場合もある。なお、新たに囃子方に加入した時、 吉符入りの日にお披露目として、お菓子を囃子方全員にくばることもある。

囃子方にはいると、まず鉦方になる。鉦は小学生から 20歳前後までの者がはやす。10年程鉦方をつとめると、 それから太鼓方か笛方にわかれることになる(高校生や成人がはいる場合には、鉦と笛などを並行して稽古することもある)。どちらにするかは、本人の希望による。その後それぞれ研鑽をつむことになるが、特に 笛は 20年位やらないと一人前にならないといわれ、10年程度ではちょっとふける程度とされる。 鉦方・太鼓方・笛方は、それぞれの年長者がまとめる。囃子の最中のリーダー格は、太鼓方である。

囃子方の衣裳は、浴衣(町内から隔年に支給)に献上博多の角帯をしめ、白鼻緒の草履をはくものである(共に個人持ち)。その他、扇子と手拭いが町内から支給され、手拭いは巡行当日に鉢巻にする。

なお、喪中の場合は、基本的には本人の意識次第ということになるが、遠慮する際には、二階囃子(7月上旬の町家での稽古)をふくめて、一連の囃子への参加をとりやめることが多い(後述する月々の稽古はかまわない)。

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