日時 | 平成20年2月10日(日) 午後2時4時30分 |
---|---|
会場 | ウイングス京都イベントホール |
主催 | 京都市立芸術大学 |
室町幕府第六代将軍の足利義教は、鹿苑寺金閣を作った義満の子で、慈照寺銀閣を作った義政の父です。金閣や銀閣は国宝の有形文化財ですが、義教は無形文化の分野で画期的な仕事をしました。それは新年を祝う松ばやしの芸能を発展させたことです。大名の一族郎党による大名松ばやしや、町女房たちによる女松ばやしの風流は、史上空前のパフォーマンスでした。そのうえ観世に始めさせた祝言の芸能と能の会は、幕府の新年の儀式として、能が武家の式楽となる基となったと思われます。熊本県からお招きする菊池の松囃子をご覧いただいて、失われた京都の文化を思い浮かべていただけたらと思います。
講演 | 吉川周平(京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター所長) 日本の伝統音楽・芸能と日本文化の特質―松囃子を中心に 第1部:文献資料からわかること (休憩) 第2部:民俗芸能の松囃子からわかる松囃子のかたちと意味 |
---|---|
会場 | ウイングス京都イベントホール |
実演 | 菊池の松囃子 (松囃子御能保存会) 出演者へのインタビュー |
コメント | 山路興造 (芸能史研究会代表委員・民俗芸能学会代表理事) |
出演者 | 挨拶:潮江宏三(京都市立芸術大学 学長) |
内容目録
19年度第3回公開講座は、本年度をもって退任される吉川所長の講演と、それに合わせ、九州の菊池から駆けつけてくださった松囃子御能保存会による松囃子の実演との、二本立てで行われた。また、冒頭には、京都市立芸術大学潮江宏三学長の挨拶があり、最後には、芸能史研究会代表、山路興造氏による、吉川所長の研究、および松囃子研究へのコメントが行われた。多彩な顔ぶれで、松囃子や日本の伝統音楽・芸能について考える、2時間半であった。定員280名の会場が、ほぼ満席となった。当日は、吉川所長の論考「松拍考」等の再録をふくむ記念小冊子を配布した。
(藤田隆則 記)