京都市立芸術大学 大学院 音楽研究科 修士課程 日本音楽研究専攻では、多数の神社仏閣や古い町並みが残る京都、今なお、数々の年中行事や儀礼、伝統音楽、伝統芸能が人々に支えられて息づいている京都で、伝統音楽・芸能を伝承する世界に備わる価値を再発見し、価値の再創造をはかることを目指します。
当センターで開講している市民講座等の企画・制作・運営にも参加しつつ、教員とともに新しい学問を築いていきます。
科目構成
本専攻では、本研究科の基本理念にそった専門的教育を施していくため、3つの領域に位置づけ、段階的教育を施します
- 基礎領域
─日本伝統音楽基礎演習、日本伝統音楽研究など─ 本専攻の基礎領域は、音楽理論、歴史的音楽学(音楽史)、民族音楽学、音楽思想(美学)です。これらの多様な方法や学問分野をバランスよく学びます。 - 特殊領域
─日本伝統音楽演習、講義科目など─ 特殊領域では、扱うテーマおよび対象をより狭めた上で、歴史資料の解釈、フィールドワーク、実技、プレゼンテーションの実践等の複数のアプローチを通じて、テーマや対象をより深く理解します。 - 応用領域
─日本伝統音楽研究、日本伝統音楽演習など─ 応用領域では、市民講座等を通じてひろく一般向に提示する手段を実践的に学びます。修士論文では、学生のニーズに応じて多様性を盛り込んでいきます。
・専門的研究論文
・ワークショップや実演講座等の実践を重視した論文
・作曲・演奏などの創造性を重視した論文
学生生活
1年 | 入学時 | 指導教員の決定/研究テーマにかんする相談 |
---|---|---|
前期終了時 | 研究テーマの決定、研究の開始 | |
後期終了時 | 研究中間報告の作成 | |
2年 | 前期終了時 | 選択科目の単位の取得完了/研究中間発表会 |
1月 | 論文提出/審査(プレゼンテーションを含む) | |
3月 | 修士課程修了式 |
注:日本音楽研究専攻に教職課程はありません。
在籍学生の研究活動の詳細は、当センター紀要『日本伝統音楽研究』彙報に掲載しております。
下記のリンクよりご覧ください。
令和5(2023)年度
https://rijtm.kcua.ac.jp/pub/document2018-/publications/bulletin/21/kiyou21_gs.pdf
令和4(2022)年度
https://rijtm.kcua.ac.jp/pub/document2018-/publications/bulletin/20/kiyou20_gs.pdf
令和3(2021)年度
https://rijtm.kcua.ac.jp/pub/document2018-/publications/bulletin/19/kiyou19_gs.pdf
修士論文の作成
日本伝統音楽にかかわるテーマを、2年間かけて深めていき、最後には、自らの研究を修士論文としてまとめることが求められます。これまでに提出された修士論文の題名は以下のとおりです。
- 真宗高田派声明における博士と口伝—天台系声明の実唱について—
- 門付け芸「三番叟まわし」の現在—伝承者の活動から見えるもの—
- 平安末期から鎌倉期における雅楽の律呂—太食調を中心に—
- 近代における真言声明の変化—南山進流を中心として—
- 『新内曲符考』の考察と五線譜化—曲符を用いた新内節音楽分析の可能性—
- 子どもが関わる地方の舞楽・祇園祭芸能・能楽についての音楽の記録
- 京都の祇園囃子と音楽創作における可能性
- 新内節の前弾き—その特徴と役割—
- 民俗芸能 復活の諸相—桂六斎念仏を一事例として—
- 奏法から見る地歌三味線の音楽的特性—組み合わせの多様性と左手奏法による旋律構成に注目して—
- 『東皐琴譜』における琴歌《高山》の打譜
- 近代中国「新音楽」と「新日本音楽」の誕生と展開
─中国古筝・日本の箏に着目して─ - 荻生徂徠の楽律の研究 ─琴律を中心に─
- 都をどりの芸態研究 ─明治大正期を中心に─
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「交流」をきっかけにした能楽の普及―
京都芸術センタートラディショナル・シアター・トレーニング( T.T.T.)とはなにか─ -
能の謡における作曲とは何か―小段[クセ]の分析を中心に―
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新しい能のプロデュース─新作能《沖宮》を題材に̶
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音楽取調掛編『箏曲集』からみる和洋折衷のありよう
出願を希望される方へ
日本音楽研究専攻は、本学大学院音楽研究科に所属しています。入試にかんする詳しい情報は本学のウェブページ「受験生の方へ」および「入試情報」をご覧ください。