京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター

京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター

 
日本伝統音楽研究センター > 催し物 > 公開講座・シンポジウム > 義太夫節通し狂言の復曲 第二回

公開講座・シンポジウム

第50回公開講座
義太夫節通し狂言の復曲 第二回

日本伝統音楽研究センター山田智恵子教授の退任を記念して開催する本講座では、研究成果に関するお話と、女流義太夫節の人間国宝であり本学の客員教授でもある竹本駒之助師により、伝承を失った義太夫節の音楽の復元演奏をします。

内容

義太夫節の音楽学的復元に関する研究報告

  • 山田智恵子(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授)
  • 神津武男(京都市立芸術大学客員研究員・早稲田大学演劇博物館招聰研究員)
  • 太田暁子(鶴澤三寿々)
    (東京音楽大学他 非常勤講師・一般社団法人義太夫協会正会員)

演奏『祇園祭礼信仰記』二段目切「けし畠の段」

  • 女流義太夫人間国宝 竹本駒之助
  • 三味線 鶴澤三寿々

「復曲について」演奏者と研究者による座談会

  • 研究者 山田智恵子、神津武男
  • 演奏者 竹本駒之助、鶴澤三寿々

『祇園祭礼信仰記』作品解題

  • 神津 武男
作品の成立

『祇園祭礼信仰記』は、宝暦7年12月5日(1758年1月5日)、大坂道頓堀豊竹座で初演された人形浄瑠璃の作品である。中邑阿契・豊竹応律・黒蔵主・三津飲子・浅田一鳥による合作。「太閤記」(豊臣秀吉の一代記)物の浄瑠璃本の中では最多の残存点数を誇る。小田信長(史実の織田信長)の松永退治を大枠として、此下東吉(史実の豊臣秀吉)が信長の軍師として取り立てられ、出世する物語を描く。

二段目切「けし畠」の物語

同段のあらすじ。信長は東吉の献策によって、浅倉義景をおびき寄せて殺害し、また明智光秀の信長暗殺計画をあばいた上で降参させ、再び家来とする。段切に祇園祭の鉾巡行の由来を説く件があって、外題の「祇園祭礼」はこれに因む。

復曲の意義

明治19年(1886)2月大阪御霊文楽座興行で、光秀の妻が登場するなどの改作が行われて以降は、「けし畠」の原作・初演本文での上演は絶えたものらしい。また大正7年(1918)5月同座興行を最後として、通し・立てでの上演は途絶えた。現在の文楽は、序切「室町館」、三段目(口「上かん屋」、中「輝若丸」、切「天下茶屋」)、四段目(中「金閣寺」、切「爪先鼠」)を伝えるのみである。

出演者

演奏者紹介

竹本駒之助

幼少よリ浄瑠璃に親しみ、昭和24年竹本春駒に入門。以降初世豊澤団友、十世豊竹若太夫、八世竹本綱太夫、豊澤小住、豊澤仙平、豊竹つばめ太夫(四世竹本越路太夫)、野澤松之輔等に師事。28年人形浄瑠璃因協会奨励賞受賞。45年四世竹本越路太夫の門人となる。55年重要無形文化財「義太夫節」総合指定保持者に認定。61年、第一回豊澤仙廣賞受賞。平成8年第26回モービル音楽賞受賞、第一回「駒之助の会」開催。11年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。14年紫綬褒章受章。20年旭日小綬章受章。21年度CD「人間国宝女流義太夫竹本駒之助の世界」が文化庁芸術祭賞レコード部門優秀賞受賞。24年度第61回神奈川文化賞受賞。27年度文化庁芸術祭賞音楽部門大賞受賞。29年度女流義太夫初の文化功労者に選出。定例の女流義太夫演奏会、NHKの各種邦楽番組等様々な演奏活動のほか、後進の指導にも力を注いでいる。一般社団法人義太夫協会理事。京都市立芸術大学客員教授。

鶴澤 三寿々

東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、 同大学院(音楽学)修了。 専門は義太夫節の音楽学的なアプローチによる研究で、古譜や史料の解読等を行う。 平成3年竹本駒之助に入門。 6年初舞台。12年義太夫協会新人奨励賞受賞。13年度文化庁芸術インターンシップ研修員。19年財団法人清栄会奨励賞受賞。 NHK邦楽番組や、 テレビ朝日「題名のない音楽会」等出演。 一般社団法人義太夫協会正会員。 東京音楽大学、常葉大学、常葉大学短期大学部他講師。 インターネットラジオ「義太夫三味線の鶴澤三寿々と能管の滝沢成実の和楽器ボン・ボヤージュ」パーソナリティー。一般社団法人義太夫協会正会員。

講演者紹介

山田 智恵子(日本伝統音楽研究センター教授)

岐阜県生まれ。東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了。博士(文学、2003年大阪大学より)。2008年より京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授。2014年より京都市立芸術大学理事。『義太夫節の語りにおける規範と変形—地合の音楽学的研究』(2017年、日本伝統音楽研究センター研究叢書2)等、著書・共編著多数。

神津 武男

福島県生まれ。博士(文学)(早稲田大学)。京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター客員研究員、早稲田大学演劇博物館招聘研究員。専門は、日本古典文学・日本近世文学・人形浄瑠璃文楽。著書『浄瑠璃本史研究』(八木書店、2009年)。編著『近松浄瑠璃善本集成』全五巻(クレス出版、2011年)。第三十回日本古典文学会賞(2004年)、第五回林屋辰三郎藝能史研究奨励賞(2009年)、公益信託上野五月記念日本文化研究奨励基金平成二十六年度研究奨励金(2015年)

日時

平成30年2月4日(日)
午後1時開演 (午後0時30分開場)

会場

京都市男女共同参画センター ウィングス京都
(京都市 中京区東洞院通六角下る御射山町262)

受講料

1,000円 当日受付にて頂戴いたします。

受講申込み方法

申込期間 平成30年1月4日(木) ~1月31日(水)〈必着〉
※ 定員に余裕がある場合は、当日申込も受け付けます。
申し込み方法 はがき、FAX、電子メールのいずれかの方法により、郵便番号、住所、氏名、電話番号(FAX番号)、「第50回 公開講座」希望と明記のうえ、連携推進課(事業・広報担当)までお申し込みください。
※ 申込多数の場合は抽選とします。
申込先 京都市立 連携推進課(事業・広報担当)
問い合わせ:
〒610-1197 京都市西京区大枝沓掛町13-6
〔電話〕 075-334-2204
※午前8時30分~午後5時15分(平日のみ)
〔FAX〕 075―334-2281
〔電子メール〕 問い合わせフォーム

主催

京都市立芸術大学

公開:2017年12月25日  最終更新:2020年08月13日

京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター

600-8601 京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学
TEL  075-585-2006 FAX 075-585-2019 共創テラス・連携推進課

©Research Institute for Japanese Traditional Music, Kyoto City University of Arts.

ページ先頭へ