研究代表者名
藤田隆則
Takanori Fujita
共同研究者名
安納真理子(東京芸大)、上野正章、大谷節子(神戸女子大)、大山範子、柴田真希、高橋葉子、田草川みずき(RPD)、玉村恭(上越教育大)、中尾薫(大阪大)、長田あかね、中嶋謙昌(灘高校)、丹羽幸江(RPD)、Pellecchia Diego、森田都紀(京都造形芸大)、横山太郎(跡見学園女子大)、
27年度からの新規メンバー:恵阪悟(帝塚山大学)、田中敏文(オムロン)
研究の趣旨(目的・意義・特色など)
趣旨:能の多くの登場人物は囃子にのって登場する。そして、すべての登場人物は台詞の一部を必ず歌う。能は音曲の要素なしにはなりたたないのである。室町期以来の伝承の過程で、能の音曲は、娯楽と社交の、儀礼遂行の、修道の、手段となってきており、それにともない能の音曲は、構成やテクスチャーにおいて、独自の発展をとげ、日本の伝統芸能の中でもユニークな存在となっている。だが、ユニークさだけをうたっているわけにはいかない。時代の流れの中で、音曲は様々な影響を被り、変化を受けてきた事実があり、現代も新陳代謝を続けている。本研究会は、能の演出の進化・多様化を、音曲面を中心に見渡すことをめざす。代表者が関心をもっているテーマは以下である。
- 能の登場の諸形式とその意味―出囃子は本当に必要不可欠か?
- 能の略式演奏の実態と意味―周縁に原初をみることは可能か?
- 素人参加による演出変化―音曲、仕舞、上演組織の変容
- 家元制度と芸道的実践―忠実な模倣と工夫・自得、踏襲と創造の関係
- 音曲の「訛り」―歌の言葉化、あるいはその逆
- 能の新しい記譜法―能以外の記譜法との比較をつうじて
- 外国語で能が可能となる音楽・音曲上の諸条件
- 民俗芸能からみる能の音曲の本質
- その他
備考
開催は、月1回程度を予定。(土曜日、あるいは金曜日) ほかに作業部会開催
研究会開催記録
時間:13時30分~17時 場所:日本伝統音楽研究センター合同研究室(新研究棟7階)
- 4月19日 Narrative perspective of the dead in warrior noh: The ambiguity expressed in performance (藤田)
- 5月1日 出版作業部会
- 5月15日 出版作業部会
- 6月5日 「近代における京観世平岡家一門―明治末年から大正初年の謡番組を手掛かりとして」(中尾)
「室町時代の謡の記譜法と吟―早歌との比較から」(丹羽)
- 7月3日 出版作業部会
- 7月4日 「英語能 を中心に―新作能の創作過程と「演劇化」」(安納)
「京観世と御所―岩井家を中心に」(長田)
- 8月2日 「金剛流三輪神道の習事について」(高橋)
- 8月10日 伝統音楽普及促進事業「能楽講座」との合同研究会(場所:河村能舞台)
- 10月3日 公開講座「掛唄から見る即興と相互行為」との合同研究会(ゲスト:島添貴美子)
- 11月5日 出版作業部会
- 11月17日 出版作業部会
- 11月25日 金春流の謡をならう(ゲスト:西瀬英紀)
- 12月25日 「高桑いづみ著『能・狂言 謡の変遷の書評(高橋、藤田)
「修学旅行生の鑑賞会で謡のワークショップにかんする報告」(田中)
- 12月26日 「そなへはた 序文、凡例、の翻訳について」(高橋、丹羽、藤田)
「能の未来形について」(全員)
- 12月27日 伝統音楽普及促進事業「能楽講座」との合同研究会(場所:河村能舞台)
- 1月13日 「金春流の特徴について」「安田登氏にきく」(ゲスト:安田登)
- 1月14日 出版作業部会
- 2月4日 伝音セミナー「金春流の謡をきく」(藤田担当)との合同研究会
- 2月5日 「金剛流シテ方廣田幸稔氏にきく」(法政大学型継承研究会と合流、場所:キャンパスプラザ京都)
- 2月17日 公開研究会「伝統音楽における記譜について―声明と謡を中心に」(藤田)
- 2月29日 出版作業部会
- 3月2日 「伝統音楽の知に遊ぶ1日―まなぶ・かんじる・かんがえる」との合同集会(場所:京都芸術センター)
- 3月10日 「丹羽:下間少進節付本の五声十二律について」(丹羽)
Narrative persona dissolved in unison singing: Warrior'Ss narration of noh drama(藤田)
「山口庄司氏の「そなへ機」読解の訂正」(高橋)
公開:2015年04月22日 最終更新:2018年04月06日