京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター

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研究活動

2022年度 共同研究
様式分化をとげた雅楽を対象とする伝承実態調査

研究代表者名

田鍬智志  Satoshi Takuwa

共同研究者名

上野 正章  (基礎調査・データベース等作成/京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター研究会研究員)
志川 真子  (基礎調査・現地調査撮影/総合研究大学院大学文化科学研究科比較文化学専攻博士後期課程)
Andrea GIOLAI (報告書編集・データベース等作成/ライデン大学人文学部日本学科助教)
田鍬 智志  (現地調査撮影・研究代表)
出口 実紀  (現地調査撮影/大阪芸術大学芸術学部音楽学科非常勤講師)
前島 美保  (現地調査撮影/東京藝術大学音楽学部非常勤講師)
増田 真結  (採譜/京都教育大学教育学部准教授)
 
松尾 象空  (オブザーバー/青葉山松尾寺住職)

*今後、調査研究の進捗・展開によっては研究員を増員する場合がある。

研究の趣旨(目的・意義・特色など)

全国各地で伝習されている雅楽のなかには、宮内庁楽部・南都楽所・四天王寺楽所雅亮会などの「標準的雅楽」の旋律・リズムとは著しく様式の異なる雅楽が伝承・伝習されている。舞鶴・松尾寺佛舞の付随雅楽は、知られている稀有な例であるが、そのような雅楽は往々にして、標準的雅楽との相違が認知されていないために、民俗芸能調査などで記録対象とされることが皆無に等しく、分布・伝習の実態が全く知られていない。そのような様式分化した雅楽は、音楽伝承における様式分化のメカニズムを考えるうえでも、また、「標準的雅楽」の過去の音楽様式をさぐるうえでも、貴重な伝承である。しかし、そのような様式分化の著しい雅楽は、後継者の人材不足による消滅化の惧れもさることながら、往々にして、スタンダードな雅楽家の介入や、SNSなどの情報源の普及によって、その音楽が「標準化」してしまうことも危惧される。よって、本調査研究では、そのような様式分化の著しい雅楽の伝承の実態を調査し、その音楽を詳細に記録する。本調査研究でとりあげる雅楽は以下のような原則として、以下の要素を満たすものを指す。

1)伝承曲に古典雅楽の曲名を冠するもの(*2)
2)編成に横笛だけでなく篳篥(くわえて笙)がふくまれるもの(*3)
3)標準雅楽の旋律、奏法、リズムとは著しくことなるもの(*4)

*2 したがって吉備楽などは原則として調査対象外とする。
*3 したがって北陸・東北・東海地方などに伝承される舞楽系芸能(稚児舞など)の付随音楽などは原則として調査対象外とする。
*4 幕末・近代、各地の真宗寺院で大遠忌を契機に興った雅楽活動で、現在残っているものは、標準雅楽の様式と大差ないものがほとんどであるが、調査対象に加えることもありうる。

成果の公開方法

2022年度 基礎調査(情報収集)・現地調査
2023年度 採譜・映像編集・報告執筆・データベース作成
最終的にはデータDVDつき報告書(冊子)、もしくはインターネット上にて成果を公表する。

備考

公開:2022年04月21日 最終更新:2023年04月13日

京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター

600-8601 京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学
TEL  075-585-2006 FAX 075-585-2019 共創テラス・連携推進課

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