京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター

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研究活動

2009年度 共同研究
町田佳声の三味線音楽研究―三味線音楽の通ジャンル的音楽様式研究に向けて

研究代表者名

山田 智恵子  Chieko Yamada

共同研究者名

大久保真利子、小塩さとみ、蒲生郷昭、久保田敏子、竹内有一、龍城千与枝、廣井栄子

研究の趣旨(目的・意義・特色など)

三味線音楽は、多くの種目に分かれており、研究者もそれぞれ細分化・専門化している。また、三味線音楽以外のジャンルに比べて、研究者の数も多いわけではない。研究方法においても、音楽そのものを扱いその構造や特徴を抽出するというような研究が最近少なくなっている。音楽そのものよりも、むしろ三味線音楽を取り巻く周辺を扱うことが研究の主流といってもよい。  
三味線音楽の音楽面を研究するとき、今でも必須文献となっているのは、町田佳声の「三味線声曲における旋律型の研究」である。これは、町田が各種の三味線音楽を通ジャンル的に見て、それぞれに共通する旋律型を見出そうとしたものである。これは、『東洋音楽研究第47号・第2分冊』として公刊されたが、その底本は、町田佳声が、東洋音楽学会例会で昭和30年11月から翌年10月にかけて行った、「日本音楽講座―三味線声曲の旋律型の研究」の謄写版テキストである。日本伝統音楽研究センターでは、その謄写版テキストを寄贈いただいたので、まずその見直し・検討作業から着手したい。  
さらに、「三味線音楽の通ジャンル的音楽研究に向けて」と副題をつけたように、町田が提示した「共通する旋律型」という概念の検討や、新たな視点を模索していくための準備もしたいと思う。また町田は、レコード集の監修・解説という形でも研究成果を発表しており、時間があれば、これも検討材料に加える予定である。   
以上のように、この共同研究会は、メンバー各位の専門種目に基づく研究発表をそれぞれ行うというよりも、全員の分担により一つの成果を目指すものである。これによって、三味線音楽研究者が通ジャンル的認識を持てるような枠組み作りを目指し、三味線音楽研究の活性化に寄与することを目標とする。

成果の公開方法

備考

経過報告



◇2009年度

*第1回共同研究会

2009年5月30日(日) 合同研究室1

・ 出席者

稀音家義丸(ゲストスピーカー)
大久保真利子、小塩さとみ、蒲生郷昭、久保田敏子、龍城千与枝、 廣井栄子、山田智恵子

・ 内容

1. 稀音家義丸師に町田先生の思い出をきく
2. 研究資料配付と研究の進め方について


 

*第2回研究会

2009年8月29日(土)合同研究室1

長唄譜例の版比較(大久保・小塩)、コメンテーター:稀音家義丸師


 

*町田遺品資料調査

2009年10月5日月、10月22日(木)・23日(金)

日本民謡協会所蔵町田遺品調査(竹内・山田)

伊勢崎市経済部文化観光課所蔵町田遺品調査(山田)


 

*第3回研究会

日時:2009年11月21日(土)

義太夫節譜例の版比較(廣井・山田)、町田遺品調査報告(山田)


 

第4回研究会

2010年1月9日(土)、10日(日)

研究会資料(町田遺品)の作成のための作業部会(大久保・龍城・山田)


 

*第5回研究会

2010年2月18日、19日、20日

18日作業部会(大久保・龍城・山田)

19日共同研究会

町田の初期三味線音楽研究論文の紹介(竹内)

河東節譜例の版比較(大久保・山田)

小唄・端唄・うた沢・俗曲譜例の版比較(寺田)

20日共同研究会(東洋音楽学会西日本支部第247回定例研究会と共催)

河東節の伝承をたどる―町田佳聲「三味線声曲における旋律型の研究」の河東節譜を事例として

実演とお話:山彦千子師(河東節人間国宝)

お話:吉野雪子(河東節研究者)

構成・司会:山田智恵子

公開:2009年07月07日 最終更新:2018年03月26日

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