京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター

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研究活動

2023年度 共同研究
様式分化をとげた雅楽を対象とする伝承実態調査(2023)

研究代表者名

田鍬智志  Satoshi Takuwa

共同研究者名

上野 正章 (京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター研究会研究員)
志川 真子 (総合研究大学院大学文化科学研究科比較文化学専攻博士後期課程)
Andrea GIOLAI (ライデン大学人文学部日本学科講師)
田鍬 智志 (研究代表)
出口 実紀 (大阪芸術大学芸術学部音楽学科非常勤講師)
前島 美保 (国立音楽大学音楽学部准教授)
増田 真結 (京都教育大学教育学部准教授)
松尾 象空 (オブザーバー/青葉山松尾寺住職)
*1 今後、調査研究の進捗・展開によっては研究員を増員する場合がある。

研究の趣旨(目的・意義・特色など)

全国各地で伝習されている雅楽のなかには、宮内庁楽部・南都楽所・四天王寺楽所雅亮会などの「標準的雅楽」の旋律・リズムとは著しく様式の異なる雅楽が伝承・伝習されている。舞鶴・松尾寺佛舞の付随雅楽は、知られている稀有な例であるが、そのような雅楽は往々にして、標準的雅楽との相違が認知されていないために、民俗芸能調査などで記録対象とされることが皆無に等しく、分布・伝習の実態が全く知られていない。

そのような様式分化した雅楽は、音楽伝承における様式分化のメカニズムを考えるうえでも、また、「標準的雅楽」の過去の音楽様式をさぐるうえでも、貴重な伝承である。しかし、そのような様式分化の著しい雅楽は、後継者の人材丌足による消滅化の惧れもさることながら、往々にして、スタンダードな雅楽家の介入や、SNS などの情報源の普及によって、その音楽が「標準化」してしまうことも危惧される。

よって、本調査研究では、そのような様式分化の著しい雅楽の伝承の実態を調査し、その音楽を詳細に記録する。本調査研究でとりあげる雅楽は以下のような原則として、以下の要素を満たすものを指す。

  1. 伝承曲に古典雅楽の曲名を冠するもの(*2)
  2. 編成に横笛だけでなく篳篥(くわえて笙)がふくまれるもの(*3)
  3. 標準雅楽の旋律、奏法、リズムとは著しくことなるもの(*4)

*2 したがって吉備楽などは原則として調査対象外とする。
*3 したがって北陸・東北・東海地方などに伝承される舞楽系芸能(稚児舞など)の付随音楽などは原則として調査対象外とする。
*4 幕末・近代、各地の真宗寺院で大遠忌を契機に興った雅楽活動で、現在残っているものは、標準雅楽の様式と大差ないものがほとんどであるが、調査対象に加えることもありうる。

成果の公開方法

2022年度 基礎調査(情報収集)・現地調査
2023年度 採譜・映像編集・報告執筆・データベース作成
最終的にはデータDVDつき報告書(冊子)、もしくはインターネット上にて成果を公表する。

備考

公開:2023年04月13日 

京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター

600-8601 京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学
TEL  075-585-2006 FAX 075-585-2019 共創テラス・連携推進課

©Research Institute for Japanese Traditional Music, Kyoto City University of Arts.

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