竹内有一 編
現代の私たちがCDやカラオケ、web等で気軽に音楽を楽しむように、江戸時代の人々は独自の音楽メディアを生み出し、音楽を口ずさんで楽しんでいました。その一つが、謡曲や各種の浄瑠璃・うたの詞章を記した、木版の詞章本(うた本・浄瑠璃本の類)です。 詞章本の研究は、分野ごとに専門的研究が進められていますが、今回はじめて、多くのジャンルを通覧する視点で、簡便な一冊にまとめました。日本伝統音楽に限らず、音楽メディアとしての出版物という観点から、音楽・出版文化に対する見方・考え方をより多角的に考えていくための一助になればと願っています。
● 序説 | 近世音楽史における詞章本とその出版 |
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● 研究史エッセイ | 地歌箏曲の資料と研究 資料の収集と公開 |
● 謡曲 | 謡本の製作・出版の諸相 |
● 人形浄瑠璃 | 浄瑠璃本(義太夫節)の種類と性格 *義太夫節の床本 |
● 歌舞伎音楽 | 歌舞伎音楽における詞章本―上演から伝承へ― 薄物正本にみる江戸の歌舞伎音楽 *めりやす正本―黒御簾からのアピール― *長唄正本の音楽情報 長唄正本の展開 稽古本の意義―浄瑠璃とせりふ― *文字譜から読み解く宮古路系浄瑠璃の音楽表現法 *江戸の浄瑠璃河東節とその詞章集 *萩江の詞章本 稽古本出版の地域的広がり |
● 箏曲・地歌 | 箏曲・地歌における詞章本 ―出版が拡げたお稽古ごとの世界― 箏曲の歌本―流儀の音を記録する器 地歌の歌本―シリーズ化と増補改訂の側面から |
● 職芸・流行・民俗・教化の歌謡集―近世歌謡研究からの視点 | |
● 執筆者一覧 |
井口はる菜、小野恭靖、久保田敏子、神津武男、後藤静夫、重田みち、竹内道敬、竹内有一、谷垣内和子、配川美加、山崎泉、山根陸宏、吉野雪子、渡邉浩子
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