研究活動

共同研究「祇園囃子の源流に関する研究」(2005年度活動報告)

2006 | 2005 | 2004 |
田井竜一
イメージ:稚児

研究代表者

田井竜一(センター助教授・民族音楽学)

共同研究員:

入江宣子(仁愛女子短期大学非常勤講師・民俗音楽学)、岩井正浩(神戸大学教授・音楽学)、植木行宣(元京都学園大学教授・日本芸能文化史)、垣東敏博(福井県立若狭歴史民俗資料館学芸員・民俗学)、永原恵三(お茶の水女子大学教授・音楽学)、西岡陽子(大阪芸術大学教授・民俗学)、樋口昭(創造学園大学教授・日本音楽史)、福原敏男(日本女子大学教授・歴史民俗学)、増田雄(甲賀市役所市史編纂係嘱託・歴史学)、米田実(甲賀市役所市史編纂係・民俗学)編纂係・民俗学)

内容

京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センターで実施された、共同研究「山車囃子の諸相」(2000年度)・「ダシの祭りと囃子の諸相」(2001‐2002年度)においてつみのこした課題をひきつぎながら、京都の祇園囃子の成立と展開の過程に焦点をあてて設定されたのが、本共同研究である。「風流拍子物」「羯鼓舞と一人立ちの獅子舞を主体とする山鉾の囃子」「シャギリ」の各諸相を大きな柱として、祇園囃子の源流に関する諸問題について、様々な角度からの考察・議論をおこなっている。 今までに実施した共同研究会は、以下の通りである(場所は特記しない限り、いずれも京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター合同研究室2)。

経過報告

◇2005年度
*第1回研究会
2005年4月24日(日)
テーマ「風流拍子物の諸相 その6:三匹獅子舞」
(1)入江宣子「関東の三匹獅子舞」
(2)樋口昭「行田市長野のささら獅子舞」
(3)総合討論


*第2回研究会
2005年5月21日(土)
テーマ「稚児の鞨鼓舞と獅子舞の諸相 その1」
南宮神社大祭の還幸舞
(1)福原敏男「戦国・織豊期における祇園会の鞨鼓稚児舞─八撥を中心に―」
(2)樋口昭「宍喰の祇園祭りおよび南宮神社大祭における鞨鼓稚児舞と獅子舞」
(3)植木行宣「上阿田木の祭りおよび願興寺大祭における鞨鼓稚児舞と獅子舞」
(4)鬼頭秀明(中京大学非常勤講師、ゲストスピーカー)「中京地区の祭礼と鞨鼓稚児舞」
(5)総合討論
※オプション企画として、5月20日(金)に奈良県立美術館において、「洛中洛外図帖」・「洛中洛外図屏風」を熟覧


*第3回研究会
2005年6月25日(土)
テーマ「稚児の鞨鼓舞と獅子舞の諸相 その2」・「近世初期における『祇園囃子』の生成 その1」
(1)藤田隆則(本センター助教授)「クセ舞(クセ)の拍節上の特徴」
(2)宮本圭造(大阪学院大学助教授、ゲストスピーカー)「拍子物から山車の囃子へ―山車をなぜ『ダンジリ』と呼ぶか―」
(3)総合討論
 ※ オプション企画として、6月24日(金)に大阪市立美術館において、「洛中洛外図屏風(田万家本)」を、
7月20日(水)に出光美術館、 7月22日(金)に東京国立博物館において、それぞれ祭礼図を熟覧


*第4回研究会
2005年9月11日(土)
テーマ「シャギリの諸相 その3:歌舞伎におけるシャギリ」
(1)土井郁雄氏(国立文楽劇場、ゲストスピーカー)「歌舞伎囃子における 『シャギリ』の諸相について─関係者の証言から─」
(2)総合討論
 ※オプション企画として、9月5日(月)に林原美術館において、「洛中洛外図屏風」を、 9月9日(木)に大阪歴史博物館において、「祇園祭礼図屏風」を熟覧


*第5回研究会
2005年10月15日(土)
テーマ:「シャギリの諸相 その4:新潟の祭礼におけるシャギリ」
村上大祭
(1)伊野義博氏(新潟大学教授、ゲストスピーカー)「新潟の祭礼におけるシャギリ」
(2)植木行宣・樋口昭「発表に対するコメント」
(3)総合討論
※オプション企画として、10月21日(金)に延命寺(愛知県南知多町)において、「洛中洛外図屏風」を、10月28日(金)に八坂神社において、「洛中洛外図屏風」・「祇園祭礼図巻」を熟覧


*第6回研究会
2005年11月19日(土)
テーマ:「シャギリの諸相 その5:滋賀県湖北地方にお けるシャギリ文化」
長浜祭りのシャギリ

発表者:橋本章氏(長浜市立長浜城歴史博物館学芸員、ゲストスピーカー)
コメンテイター:植木行宣 ・田井竜一・樋口昭
 ※オプション企画として、11月18日(金)に京都府立山城郷土資料館において、「洛中洛外図屏風(真野家本)」を熟覧


*第7回研究会
2005年12月10日(土)
テーマ:「稚児の鞨鼓舞と獅子舞の諸相 その3」
茶碗祭りの八つ返しの舞

(1)植木行宣「中世的山鉾の伝承とはやし」
(2)山口祇園会・今井祇園会・願興寺大祭・茶碗祭りの映像記録の上映
(3)総合討論
 ※オプション企画として、12月9日(金)に堺市博物館において、「洛中洛外図屏風」を熟覧


*第8回研究会
2005年12月21日(水)
場所:サントリー美術館収蔵庫(サントリー(株)梓の森工場内)
テーマ:「『日吉山王・祇園祭礼図屏風』の諸相」
内容:「日吉山王・ 祇園祭礼図屏風」の熟覧とそれをめぐる総合討論


*第9回研究会
2006年1月14日(土)
テーマ:「稚児の鞨鼓舞と獅子舞の諸相 その4:森町山名神社天王祭のオマイ」
山名神社天王祭のオマイ(左から、鞨鼓稚児―鶴―獅子―龍(逆立ち))
(1)波々伯部神社祭礼および国府祭の映像記録上映
(2)北島惠介氏(森町教育委員会、ゲスト・スピーカー)「山名神社天王祭のオマイについて」
(3)山名神社天王祭のオマイの映像記録上映
(4)植木行宣・樋口昭 「発表に対するコメント」
(5)総合討論
※オプション企画として、1月13日(金)に岐阜市歴史博物館において、「洛中洛外図屏風」(光明寺蔵)を熟覧


*第10回研究会
2006年2月4日(土)
テーマ:「角館祭りの囃子と手踊り」
(1)桂博章氏(秋田大学教育文化学部教授、ゲスト・スピーカー)「角館、及びその周辺の祭り囃子と手踊りの担い手」
(2)入江宣子・福原敏男「発表に対するコメント」
(3)総合討論


*第11回研究会
2006年3月18日(土)
テーマ:「蜘蛛舞・つく舞の諸相」
(1)田井竜一「蜘蛛舞・つく舞の諸相」
(2)秋田県天王町、千葉県龍ヶ崎市・野田市・多古町、知多市、長崎市、いわき市における事例の映像記録上映
(3)植木行宣・福原敏男「発表に対するコメント」
(4)総合討論
※オプション企画として、3月10日(金)に国立歴史民俗博物館において、「洛中洛外図屏風(歴博乙本・D本)」を熟覧


*第12回研究会
2006年3月25日(土)、場所:国立歴史民俗博物館会議室
テーマ:「諸国祇園会の比較」
(1)福原敏男「諸国祇園会羯鼓稚児舞―八撥をめぐって―」
(2)質疑応答・討論
(3)企画展「日本の神々と祭り―神社とは何か?―」の見学


※今後の活動については追ってお知らせします


最終更新日:2007/08/02 | 公開日:2007/07/19