令和7年7月26日土曜日
7月26日は「幽霊の日」。鶴屋南北の『東海道四谷怪談』が初演されてから、今年でちょうど200年目にあたります。今回は、歌舞伎の名作であると同時に、日本怪談の様々な要素を巧みに取り込み、日本人の怖れへの信仰を演劇化することに成功した『東海道四谷怪談』について、二人の怪談研究の碩学を招き、四谷怪談の200年間を振りかえりつつ、日本怪談史のひとつの節目として芸能・民俗・文芸・図像の観点から、お岩の幽霊が現代の私たちに放つ死者のメッセージを語りつくします!
日本学術振興会科学研究費助成事業
「東北地域の死者祭祀に関する幽霊画の機能研究」
(25K03588 :代表者・鈴木堅弘)
徳川幕府が開かれてからおよそ二百年後。 江戸文化が最も栄えた時代に、四世鶴屋南北(1755 -1828)が創作した怪談歌舞伎の傑作。
塩冶家の浪人民谷伊右衛門は、立身出世のために女房お岩を裏切って殺害する。その悪徳により、伊右衛門はお岩の亡霊に苦しめられ、彼の仲間も次々と呪い殺されてゆく。残忍、滑稽、グロテスク、哀愁、夢見、恋慕と、江戸怪談が有するあらゆる要素を盛り込み、 〈悪なる人間性〉と〈怪なる悲哀性〉 が日常的な生活空間をつうじて浮き上がる。まさに江戸怪談の頂点をなす演劇作品であり、江戸という巨大都市に生きる下層民の鬱屈したエネルギーをお岩の亡霊がその呪殺によって抹消していく。お岩の亡霊は、観客を恐怖の深淵へと追い込むと共に、自身の悪なる心を浄化させるカタルシスをもたらす。お岩の呪力はいまだに信じられ、昨今、『東海道四谷怪談』開演の際は、歌舞伎役者が必ずお岩稲荷を訪れ、公演の無事を祈願する。
荒俣 宏 京都国際マンガミュージアム館長 ![]() |
東京生まれ。 小学生の時、毎年町内会海水浴旅行に参加、三浦半島の海で生物採集を開始、のちに世界の海で生物写真を撮る。 古見さんとも多くの海でご一緒し、水中撮影の訓練を受けた。 |
堤 邦彦 京都精華大学名誉教授 ![]() |
東京生まれ。 江戸時代の怪談研究を中心に仏教、民俗と怪異の関わりを追い求める。 怪談朗読団体「百物語の館」の元締めとして各地の寺社仏閣において古典怪談を読む会を主催し、怪談文化の普及をめざす。 |
司会: 鈴木 堅弘 京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター 特別研究員 |
三河生まれ。 妖怪画から春画、絵巻物まで幅広く論じる。 京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センターでは、大津絵節、じょんがら節、瞽女唄などの俗謡をテーマとし、絵画、音楽、芸能、民俗を横断する日本研究に取り組んでいる。 |
2025年7月26日(土曜日)午後2時〜午後4時
〒600-8601 京都市下京区下之町57-1
京都市立芸術大学京都市立芸術大学 C棟1階
● 地下鉄烏丸線・JR各線・近鉄京都線「京都」駅下車 徒歩6分
● 京阪電車「七条」駅下車 徒歩10分
● 市バス 4·16·17·81·205·南5号系統
「塩小路高倉・京都市立芸術大学前」下車すぐ
構内に駐車場はございません。各種公共交通機関をご利用のうえご来場ください。
無料
100名(要申込/先着順)
受付期間:2025年6月23日(火)午前10時~7月7日(水)午後5時
下記申込フォームよりお申込みください。
※ 申込フォームリンクは上記の期間中のみ有効です。(期間外には接続しません)
京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター
企画協力: 怪談文芸研究会
京都市立芸術大学
京都市立芸術大学事務局 共創テラス・連携推進課
TEL 075-585-2006(平日 午前8時30分〜午後5時15分)
Eメール public@kcua.ac.jp
公開:2025年06月10日 最終更新:2025年06月19日
600-8601 京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学
TEL 075-585-2006 FAX 075-585-2019 共創テラス・連携推進課
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