日本伝統音楽研究センター

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凡例

日本語要旨

0 はじめに

1 旧下桂村と桂地蔵前六斎念仏の概況

2 桂地蔵前六斎念仏の民俗芸能誌

3 桂地蔵前六斎念仏の特質

4 桂地蔵前六斎念仏における伝承

謝辞

文献資料

音響資料

映像資料

英語要旨

 

 

桂地蔵前六斎念仏 その特質と伝承をめぐってトップへ

0 はじめに

六斎念仏は関西地方を中心にして、日本全国に伝承されているが、中でも京都市周辺と高野山一体は、それが集中的に分布している地域としてしられている〔仏教大学民間念仏研究会1966、芸能史研究会1979、岩井・鹿谷・田井・廣井1990〕。京都市内の六斎念仏は現在14ヶ所で伝承されており、その分布は洛西・洛南に集中している。そして、周知のように、それらのほとんどは芸能六斎とよばれるものであり(3ヶ所のみが念仏中心の念仏六斎)、芸能史研究会編『京都の六斎念仏調査報告書』〔芸能史研究会1979〕で詳細に報告されている。

しかしながら、京都市西京区の旧下桂村地域に伝承されている桂地蔵前六斎念仏(通称・登録名称は桂六斎念仏)は、後述するように数度にわたる中絶を経験しており、芸能史研究会の調査時にはちょうどその1つにあたっていたため、詳しい調査は実施されないままにおわってしまった〔同上:160-169〕。また、同六斎念仏に関する先行研究も極めてかぎられている〔江馬・井上1953:74-77、田中1959:34-37〕。

本稿はそうした状況を補完する形で、桂地蔵前六斎念仏について詳細な報告をおこなうと同時に、同六斎念仏の特質および伝承の問題について論じることを目的とするものである。なお、ここでの記述は、主に2002年から2005年にかけて、断続的に実施したフィールドワークでえられた資料にもとづいている。

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