京都の祇園祭りは、山鉾巡行に代表されるように、日本における山・鉾・屋台を主役に仕立て上げた祭りの発祥です。したがってそこではやされる囃子、即ち「祇園囃子」の成り立ちを考察していくことが、日本の山・鉾・屋台の祭りの囃子が、どのように展開していったかを考えることになります。
一方、祇園祭り自体は長い歴史をもっていますが、現行の祇園囃子は近世初期に成立したに過ぎず、それより以前は多様な「祇園囃子」が存在していました。本書はこうした観点に立ち、「祇園囃子」の源流を探ろうとしたものです。
本書の前半では、共同研究で議論された、「風流拍子物」、「羯鼓(かっこ)稚児舞」、「シャギリ」という3つの論点から祇園囃子の原点に迫り、最後に、「祇園囃子」の成立と展開に関しての仮説を提示しています。
後半には、それに関連した論文「山鉾を囃す稚児舞」、「羯鼓稚児舞・獅子舞・しゃぎりにみる旋律及び拍節構造」を掲載しています。
いずれも、祇園囃子の源流に迫るもので、祇園祭りの源流を「囃子」から探った書物として一読の価値があるといえます。
A5判 縦組 144ページ
平成20年12月10日
京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター
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