人間は,長い歴史にわたって芸術を大切にしてきました。
それは、芸術が人間の生存にとっての自由を象徴するものであり、喜びを
もって豊かに人間を存在させる、重要な方法だったからです。
しかし悲しいことですが、人間の歴史は様々な争いも記録してきました。
それゆえに、私たちの芸術による平和への希求は、痛切に心の中に膨らみ
続けています。
21世紀を、豊かな人間性と思いやりに満ちた芸術の世紀にしたいという
思いは、この平和への願いとともに、広く人々の共有するところでありましょう。
京都市立芸術大学は、創立以来125年の歴史を有する大学です。日本の近代化とほぼ同じ歴史を歩んできました。
千年のみやこ京都が、政治的首都を東京に譲り、芸術を大切にする文化首都として、新しい時代を迎えようとする意志のあらわれの一つが本学でした。 |