京都市立芸術大学

日本伝統音楽研究センター

Research Centre for Japanese Traditional Music

Kyoto City University of Arts

日本伝統音楽SPレコードを聴く(2006年度第6回)
「和洋折衷の音楽:和洋合奏」


第五回の様子
◆日時
11月2日(木)午後2時〜午後4時
◆担当
奥中康人(伝音センター特別研究員)
◆協力
亀村正章
◆HP広報記事:
現在では聞きなれないコトバですが、SPレコードの世界には「和洋合奏」というジャンルが存在します。文字どおり、「和」と「洋」が混ざった折衷式のアンサンブルで、今日では、どちらかといえばキワモノ扱いされかねません。しかし、録音は比較的多 く残っています。そこで第6回目は、例えば有名な《勧進帳》で、普通の長唄演奏と和洋合奏とを比較してみるようなおもしろい企画を考えています。 また、秋ですので、時代祭でおなじみの山国隊の鼓笛隊(これも和洋折衷!)の貴重な録音も紹介する予定です。
◆担当者コメント:
西洋音楽史や日本音楽史では軽視されている「和洋折衷」や「和洋合奏」をキーワードとして、録音として残されたさまざまな演奏を鑑賞しました。
たとえば「勧進帳」では、通常の長唄「勧進帳」をはじめとして、軍楽隊のブラスバンド「勧進帳」、北村季晴による和洋合奏「勧進帳」、さらには寺 内タケシのエレキ「勧進帳」にいたるまで、いろいろな演奏を比較することにより、明治〜昭和の音楽文化がとてもバラエティーに富んでいたことが確認できた のではないでしょうか。
また、佐々紅華が編曲したピアノ入り「六段」や菅原明朗が編曲したオーケストラ伴奏「千鳥」などは、伝統音楽の枠にとどまらず、流行歌や芸術音楽の創作にも影響を与えた試みとして、再評価することができます。
◆視聴覚資料一覧
「行進曲」京都山国隊楽士(昭和4年)

「勧進帳」 吉住小三郎・杵音家浄観(コロムビア4609) 
北村季晴・北村初子・前田久八・石原重雄(アメリカ・コロムビア2595)
芳村伊十郎・杵屋六左衛門・勘五郎(アメリカ・コロムビア2046) 第四師団軍楽隊(ニットー552)
松竹和洋合奏団(コロムビア25370)
寺内タケシとバニーズ(CD「正調寺内節」)

「千鳥」 宮城道雄(ビクターV80012)
佐々紅華編曲:三島麗子・米川敏子(コロムビア100644〜100645)
菅原明朗編曲:荻野綾子・宮城道雄・日本ビクター管弦楽団(ビクター13316〜13317)
元第四師団軍楽隊(オリエント2680) 「六段」 佐々紅華編:米川敏子・上田仁(コロムビア100646)

おまけ:佐々紅華の作品 六段の歌(「毬ちゃんの絵本」より) 茶目子の一日  唄:平井英子
◆配布資料:
鑑賞曲目一覧(A4版4枚)、北村季晴 編 長唄楽譜「勧進帳」「道成寺」(A3裏表刷)
 
◆回覧・展示資料:
明治〜大正期に五線譜で出版された日本の音楽
◆来場者
19名

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公開日:2006.11.17
最終更新日:2006.11.17
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