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■更新情報 ■支部例会のご案内 ■支部通信の配布 ■学会会員でない方へ ■西日本支部事務所 ■メーリングリスト
■更新情報
- 2022.6.09
西日本支部 第54回(通算405回)定例研究会(7月16日開催)のご案内。 NEW
- 2021.8.05
西日本支部 第53回(通算404回)定例研究会(8月22日開催)のご案内。
- 2021.6.11
西日本支部 第52回(通算403回)定例研究会(7月10日開催)のご案内。
- 2008.04.12
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■支部例会のご案内(2022-2023年度)
- 2022.06.09
西日本支部 第54回(通算405回)定例研究会(7月16日開催)のご案内。 NEW
過去の支部例会についてはこちらをご覧ください。
2021-22年度、2020-21年度、2019-20年度、2017-18年度 2015-16年度、2013-14年度、2012年度、2011年度、2010年度、2009年度、2008年度、2007年度、2006年度、2005年度、2004年度、2003年度、2002年度、2001年度
■支部通信の配布
西日本支部では、支部通信を年2回発行しています。支部例会の研究発表報告などを掲載しております。支部通信は支部会員以外の方にも公開されております。下のリンクを右クリックして「リンク先のファイルを保存する」をおこなうとダウンロードできます。PDF書類です。
- 西日本支部通信 第20号(通巻120号)2021年10月1発行
- 西日本支部通信 第19号(通巻119号)2021年3月5発行
- 西日本支部通信 第18号(通巻118号)2020年4月6発行
- 西日本支部通信 第17号(通巻117号)2019年10月28発行
- 西日本支部通信 第16号(通巻116号)2019年3月22日発行
- 西日本支部通信 第15号(通巻115号)2018年10月16日発行
- 西日本支部通信 第14号(通巻114号)2018年3月5日発行
- 西日本支部通信 第13号(通巻113号)2017年9月30日発行
- 西日本支部通信 第12号(通巻112号)2017年3月31日発行
- 西日本支部通信 第11号(通巻111号)2016年10月3日発行
- 西日本支部通信 第10号(通巻110号)2016年3月1日発行
- 西日本支部通信 第9号(通巻109号)2015年8月30日発行
- 西日本支部通信 第8号(通巻108号)2015年2月10日発行
- 西日本支部通信 第7号(通巻107号)2014年8月31日発行
- 西日本支部通信 第6号(通巻106号)2014年2月28日発行
- 西日本支部通信 第5号(通巻105号)2013年8月25日発行
- 西日本支部通信 第4号(通巻104号)2013年2月18日発行
- 西日本支部通信 第3号(通巻103号)2012年9月11日発行
- 西日本支部通信 第2号(通巻102号)2012年2月17日発行
- 西日本支部通信 第1号(通巻101号)2011年9月10日発行
■学会会員でない方へ
- 支部例会へはどなたでもご自由に参加していただけます(無料)。お問い合わせは各例会担当か、西日本支部事務所までお願いします。
- 日本音楽学会に入会をご希望の方は、こちら(日本音楽学会の入会案内)をご覧ください。入会されますと、学会誌と会報をご購読いただけます。
■日本音楽学会 西日本支部事務所
〒560-8532 大阪府豊中市待兼山町1-5
大阪大学大学院文学研究科音楽学研究室
TEL&FAX: 06-このウェブサイトに関するご意見、ご質問、ご提案等は、msjwestwebmaster(あっとまぁく)gmail.com まで。※(あっとまぁく)は @ に直してください
日 時: 2021年7月10日(土)14:00-
会 場:オンライン(zoomミーティング)
参加を希望する方は、7月8日(木)までに下記のGoogleフォームよりお申し込みください。 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScXD5vvDSnGFST-hSQIvBNYNuYiUizndR_SybuGrUoxLMu8xg/viewform
定例研究会担当:西田紘子(九州大学)
司 会:松田聡(大分大学)
内 容:〈研究発表〉
1. 彭子カン(九州大学)
「シェンカー理論を旋律知覚・認知に取り入れる研究 ―同一性,本質性,延長性の点から―」
本研究は旋律知覚・認知に取り入れることを通じて,シェンカー理論と知覚・認知の関係を検討し,知覚・認知に取り入れる意義や作用について考察することを目的とする。シェンカー理論と知覚・認知の関係に着眼したCarrabré(2015)の研究を踏まえ,シェンカー理論の旋律概念及び分析方法を抽出し,「旋律の同一性,本質性,延長性」という3つの聴取実験を実施した。その後,アンケートとインタビュー調査を行い,被験者の意見を収集・分析した。その結果,シェンカーが提唱した旋律概念は人の知覚・認知に存在するが,認知に属する意識的要素と意識的学習により深い関わりがあること,シェンカー理論を通して人が体験した知覚の経験と反応の特徴を観察できることが示された。結論として,シェンカー理論は音や要素の表れ方,音楽の構成と展開に対する認識向上に活かすことで,音楽を聴き,理解し,演奏するための有効な手段になると考えられる。
2. チャリス(熊本大学)
「モンゴル・イメージを創出するホーミー ―新たに規範化されゆく伝統芸能教育を手がかりに―」
中央アジア地域には古くから多種多様な歌唱法が伝承されてきた。その中で特にノドウタとされるホーミー(ホーメイ、Kögemei)がその特徴的な倍音技法により、「モンゴル」を代表する芸能として知られている。一方で研究対象地域では、非拍節的な自由リズムにもとづくうたい方である「長唄(オルティン・ドー)」こそが国立音楽院における伝統音楽教育の中心をなしている。対照的に、ホーミーが公的な教育に導入されたのはようやく21世紀に入ってからのことであり、ここに、モンゴル内外における伝統芸能への認識の違いを認めることができよう。
その理由の一つに、1960年代から70年代にかけてモンゴル国、内モンゴル自治区両地域は、社会主義革命によって地域固有の文化に対する価値観や取り巻く環境に大きな変化がもたらされた。革命以前よりモンゴル全土で広範に伝承されてきた長唄は、ポスト社会主義時代においていち早く復活させられた。一方で近年、ホーミーは長唄と並んで遊牧文化の代名詞とされ、共演も頻繁に行なわれてきたものの、一部地域(アルタイ山脈周辺)での伝統芸能であったことから規範化・活性化されてゆく中で大きな時差が生じることになった。
本発表では、モンゴル国と内モンゴル自治区両地域を対象に、ホーミー(ホーメイ)に関する先行研究および実践者へのインタビューを整理しつつ、伝統芸能として制度化されるホーミー実践のあり方、伝統芸能間のヒエラルキーにみられるホーミー実践の方向性を解き明かしてみたい。
〈ラウンドテーブル〉
「コロナ禍における福岡の音楽活動を記録する」
新型コロナウイルスのアウトブレイクからすでに1年以上が経過した。その間、福岡では緊急事態宣言が数回出され、音楽活動をはじめとする文化活動が持続的に制限されている。その中、音楽活動のあり方や、携わる人々の認識には微細な変化が生じていると考えられる。本ラウンドテーブルでは、コロナ禍の音楽活動や携わる人々の音楽観にどのような変化があったのかを共有・記録・展望することを目指し、そのための論点を整理する。具体的には、主に福岡のクラシック系音楽活動を対象として、作曲家、プロ・オーケストラのスタッフ、アマチュア団体の関係者、演奏家、研究者の立場から、とくに感染症対策を顧慮した新たなメディアによる活動や、それに伴う価値観の変化を振り返る。その上で、新たな活動を模索しつつ変化を記録に残すことの意義や課題を議論する。
◎報告者:
ゼミソン ダリル(九州大学)、リシェツキ多幸(九州交響楽団、非会員)、松村晶(九州大学)、グミ(音楽家派遣メロディエンヌ、非会員)
◎討論者:城一裕(九州大学)
◎コーディネーター:西田紘子(九州大学)
日 時: 2020年7月11日(土)14:00-
会 場:オンライン
参加を希望する方は、7月9日(木)までに研究会担当の西田(tonwille[あっとまーく]yahoo.co.jp)までメールをお送りください。ただし、上限に達し次第、締め切らせていただきます。
定例研究会担当:西田紘子(九州大学)
司 会:栗原詩子(西南学院大学)
内 容:〈話題提供〉
上江田博史(University of Maryland Global Campus)
「多様化する音楽分析におけるアクセシビリティ」 本発表では、多様化を見せる音楽分析の研究分野において、これまでに度々議論されている、パフォーマンスやコンピュータを含む数学的音楽分析と従来の音楽分析との間に生じている「溝」に目を向ける。そして、先行する研究(例えばVlahopol (2019)やVolk and Honingh (2012))をもとに再考しつつ、その溝を埋める策として普遍的に存在しうるアクセシビリティについて言及する。その上で、Ward (2007)を含む複数の研究で議論されているパフォーマンス領域への「音楽的気づき(Musical Awareness)」の導入や、Kochavi (2014)で述べられている、教育現場における音楽と数学の統合化の試み等、アクセシビリティを促進しうるような具体的な事例の動向を踏まえて、多様化するなかでのこれからの音楽分析の方向性の一端を探る。
〈研究発表〉
Canada’s Musical Mosaic and Cultural Appropriation
1.ゼミソン・ダリル(九州大学)
「カナダの音楽的「モザイク」と文化の盗用論」
カナダ文化はそれが「モザイク」であることを誇っている。そこは多様な移民文化がそれぞれのアイデンティティーを失わずに混ざり合う空間である。音楽に関していえば、カナダ人作曲家は、自身が育ったそれではない文化から様々なインスピレーションを受けてきた。例を挙げれば、バリのガムラン音楽に基づいた作品を西洋の作曲家の中では初めて作曲したコリン・マクフィー、カナダ先住民ニスガ族の歌をオペラの傑作「ルイ・リエル」に加えたハリー・サマーズ、感性の形成期に日本を含むアジアを旅して音楽的刺激を受けたカナダで最も知名度の高い作曲家クロード・ヴィヴィエ、そしてヨーロッパ大陸からカナダの先住民の音楽に至るまで幅広い素材を用いてコラージュ作品を作曲するフリストス・ハッツィス。
近年では、こうした異文化の借用がマスメディアでもアカデミアにおいても「文化の盗用」であるとして問題化され、批判を加えられてきた。本発表は、「文化の盗用」というレンズを通してカナダの代表的な現代音楽作品を検証し、芸術表現における自由と自身が属さない文化に対するセンシティヴィティのバランスをどう図るか検討するものである。そして「文化の盗用論」の議論が日本のアーティストや聴衆に対して意味するところを慎重に考察する。
Canadian culture prides itself on being a mosaic, that is, a space where different immigrant cultures come together without losing their identity. In terms of music, Canadian composers have been variously influenced by cultures which are not their own – for example, Colin McPhee was one of the first western composers to explore Gamelan music, Harry Somer’s adapted a Nisga’a song in his masterpiece Louis Riel, Canada’s most famous composer Claude Vivier undertook a major formative journey to Asia (including Japan), and Christos Hatzis makes post-modern collage music from a wide range of European and native Canadian sources.
Recently this kind of intercultural borrowing has been problematised and criticised in both the popular media and academic circles as cultural appropriation. By looking at some classics of Canadian contemporary music through this lens, this paper will ask where the balance between freedom of artistic expression and sensitivity to cultures outside your own lies. I will also consider whether this debate has any implications for Japanese artists and audiences.
2.山田 高誌(熊本大学)
「ナポリ公証人史料調査に基づく民間劇場の経営トラブル、観客の解明 ―動乱の1779~83年度・フィオレンティーニ劇場を中心に―」劇場史、オペラ史においてとりわけ大きな存在である18世紀ナポリの諸劇場の研究は、今日イタリアにおいても様々な方向からの研究が進められており、各地で相次いで企画されているオペラ・セリアや喜劇オペラの復活上演へと具体的に実を結んできている。
発表者は、長らくナポリの民間劇場(ヌォーヴォ劇場、フィオレンティーニ劇場)の調査を換金記録や作曲家自筆譜、台本の検討から行ってきたが、2017年より、一般公開が始まった「公証人文書」の総合的調査に重点的に取り組んでいる。
本発表はまず公証人史料へのアクセスが可能になった経緯から、コンテンツを概観したのち、とりわけ1779年度~1783年度の5か年にナポリのフィオレンティーニ劇場で起きた経営トラブルを時系列に解明を試みようとするものである。
この5か年は、ピッチンニ、パイジェッロ、チマローザを世に送り出し、喜劇オペラをある種の政治的メッセージに作り替えた18世紀ナポリを代表する専業オペラ興行師、Gennaro Blanchi(ヌォーヴォ劇場を中心に1767~1781年度)、およびGiuseppe Coletta(フィオレンティーニ劇場を中心に1784~1796年度)の二人が不在で、複数の臨時的興行師が劇場シーズンを変則的な形で乗り切っていた時期であったが、その不安定な理由は一切不明であった。
本調査によって、1779年度フィオレンティーニ劇場の経営を行っていた興行師Gaetano Noviが賃貸料の一部361.37ドゥカートを支払わず逮捕監禁されたことにより、その経営はFrancesco De Marcoに引き継がれるが、さらに同人は1783年興行年度途中に死亡したため、チケット販売の一部の代理販売請け負いを行っていた商人Colamatteoと劇場会計担当者Francesco Milzaが臨時でその運営を引き受けた後、1784年度より、ようやく専業興行師となるGiuseppe Colettaがさらに第三者の出資を得ることで以後ようやく経営が安定へと向かったことが明らかとなった。本発表ではさらにはDe Marco死亡後、経営権引き渡しを行うために作成された収益バランスシートに記された全予約者(観客)の同定を通して、この時期急速に社会的な価値を高めつつあった「喜劇オペラ」というジャンルの社会的トポスの解明にも踏み込みたいと考える。
■日本音楽学会西日本支部 第46回(通算397回)定例研究会
日 時: 2019年7月13日(土)14:00-
会 場:九州大学大橋キャンパス3号館321教室
アクセス:西鉄「大橋」駅下車 (詳細・地図は、
ホームページhttp://www.kyushu-u.ac.jp/ja/campus/ohashi/ をご参照ください)
定例研究会担当:西田紘子(九州大学)
司 会:松田聡(大分大学)、矢向正人(九州大学)
内 容:
〈研究発表〉
大久保真利子(九州大学総合研究博物館)
出口実紀(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター)
「1930~40年代の日本における民謡の調査と録音 ―国際文化振興会レコードの特徴を中心に―」
本発表は、国際文化振興会(KBS)が諸外国に日本音楽を紹介するという目的で制作したSPレコード集『日本音楽集』(全5巻、SPレコード60枚)に収められた俚謡(民謡)の特徴を明らかにするものである。1944年に完成した『日本音楽集』における俚謡部分の制 作においては、同レコード集の編集委員のひとりであった町田佳聲(三味線音楽や民謡の研究家、1888-1981)が主導的役割を担ったとされている。そこでまずは、町田が1930年前後からおこなった民謡調査の概要と録音について整理する。そのうえで『日本音楽集』に収録された俚謡(SPレコード12枚、47曲)の曲目、演奏者、録音状態などの分析を通して特徴を導き出す。
〈ラウンドテーブル〉
「音楽・日常・メディア」
本ラウンドテーブルでは、創作実践に関する2つの報告を通して、さまざまなメディアおよびメディア同士の関係を通して発見されうる、日常にひそむ音楽の表現可能性について検討を行う。1つ目は、「折り紙」に含まれる数的パラメータを音楽上の数的パラメー タと対応付け、折り紙を音楽へと変換する方法を探ることで、折り紙を媒体とした音楽の可聴化表現について報告し、「折り紙音楽」特有の特徴抽出を行う。2つ目は、フレキシブル素材による声道模型と電気式人工咽頭を用いた「声」の自作楽器のための作品で、合成音声のみで構成された「ゔぉかりーず(未)」について報告し、声の未開拓の領域を音 楽的側面から探求する。両発表に関するディスカッションを通して、新たなメディアを通して発見可能な音楽表現に向けた課題を展望することを狙いとする。
◎報告者:清水久見・西田紘子(九州大学) 吉村帆生・城一裕(九州大学)
◎討論者:長津結一郎(九州大学、非会員)
◎進行 :矢向正人(九州大学)
■日本音楽学会西日本支部 第45回定例研究会
※東洋音楽学会西日本支部 第284回定例研究会 と合同開催
日 時: 2019年5月25日(土)13:00-16:00
会 場:京都市立芸術大学 新研究棟7階 合同研究室1http://www.kcua.ac.jp/
定例研究会担当:齋藤桂(京都市立芸術大学)
内 容:
〈修士論文発表〉
細野桜子 「新内節の前弾き:その特徴と役割」
廖婉婷 「京都の祇園囃子と音楽創作における可能性」
〈第30回 小泉文夫音楽賞受賞記念講演〉
デイヴィッド・ヒューズ
「外人が辿った民謡の道50年間 "A Foreigner's 50-Year Journey Through the World of Min’yō"」
※講演言語(日本語・英語 ※通訳なし
■日本音楽学会西日本支部特別研究会
日 時 : 2019年4月14日(日)13:30〜17:00
会 場 : 本願寺聞法会館 研修室1(京都市下京区堀川通花屋町上る柿本町600番地1)
アクセス : JR京都駅から市バス9、28、75号系統「西本願寺前」下車 徒歩5分、またはJR京都駅より徒歩20分
地 図 : http://monbou.jp/html/n1c5.html
例会担当 : 能登原由美(大阪音楽大学)
内 容 : シンポジウム
「戦争/暴力」と人間——美術と音楽が伝えるもの
第2回 総力戦体制下の芸術
司会/コメンテーター:
柿本伸之(広島市立大学・非会員)
パネリスト:平瀬礼太(愛知県美術館・非会員)
戸ノ下達也(洋楽文化史研究会・東日本支部)
井口淳子(大阪音楽大学)
後援:浄土真宗本願寺派綜合研究所(仏教音楽儀礼研究室)
頻発するテロや排他的な国家主義の台頭が新たな戦争の脅威をもたらす一方で、日常生活にも様々な形で広がる暴力。こうした、言わば「見えない戦争/暴力」については、芸術がしばしばその存在を露わにしてきた。その一方で、プロパガンダなどに明らかなように、芸術は暴力を「見えなくする」ものでもある。では、21世紀を生き延びるにあたって、私たちは「戦争/暴力」と芸術の関係をどのように捉えれば良いのであろうか。
昨年9月に原爆の図丸木美術館で行われた1回目のシンポジウムでは、「ヒロシマ」や「ベトナム」、あるいは戦争画の評価と受容などの視点から、テーマ全体に関わる様々な問題提起を行った。2回目となる本シンポジウムでは、15年戦争から敗戦を経て戦後復興期に至る過程に焦点を当て、国家や社会が一丸となった「総力戦体制」が美術界・音楽界に与えた影響についてみていきたい。また、戦時期から戦後への継続・断絶の諸相をも視野に入れることで、現在や今後の社会と芸術のあり方を含めた幅広い議論を展開する予定である。参考ウェブサイト:https://onpitsusya.jimdofree.com
■日本音楽学会西日本支部特別研究会
日 時 : 2019年3月16日(土)14:00〜17:00を予定
会 場 : 神戸大学大学院人間発達環境学研究科 鶴甲第二キャンパス C101(当日案内表示があります)
アクセス : JR六甲道駅または阪急六甲駅より神戸市バス36番系統(鶴甲団地または鶴甲2丁目行)、神大人間発達環境学研究科前下車
地 図 : http://www.kobe-u.ac.jp/guid/access/rokko/turukabuto-dai2.html
例会担当 : 大田美佐子(神戸大学)misaohta(あっとまぁく)kobe-u.ac.jp
内 容 : 講演
冷戦外交と音楽の「ジャポニズム」(概略的な通訳あり)
W.アンソニー・シェバード
1952年、占領が終わる頃、日本はアメリカにとって鍵となる同盟国となり、アメリカの作曲家、音楽家、そして民族音楽学者たちにとっても重要な存在となった。日米で国境を越えて起こった数々の音楽の交流は、冷戦期にも特に印象的なものだ。まず、私はそのような米日関係における音楽外交のなかでも、ヘンリー・カウエルとアラン・ホヴァネスのような作曲家における「雅楽」の影響について焦点をあてて話したい。
1961年の東京での東西音楽対話は、西側の国々が日本に対する関心を刺激するきっかけとなった。この問題について、私は文化自由会議資料館で行った調査をもとに議論する。合衆国では、有名なオリエンタリズムが、アメリカの冷戦戦略と同じ路線で、公衆の感情を左右していた。ジャポニズムの作品における同じような書法とその影響はジャズやハリウッドの音楽にも見られる。ここで例示したいのは、フランツ・ワックスマンの1957年の映画《さよなら》の総譜である。
最後に、もう少し長い期間にわたる東西音楽の出会いとして、カリフォルニア大学、ロサンジェルス、ウェスレイアン大学での日本音楽の存在について指摘しておきたい。これらの大学や研究所で日本音楽が教えられることによって、ポール・チハラ、ロイス・バーク、リチャード・タイテルバウムに、深いところで影響与えた。冷戦の影響としての音楽のジャポニズムは、今日でも音として響き続けているのである。
講演者 W. Anthony Sheppard教授について
現在、Williams College教授で、"Revealing Masks - Exotic Influences and Ritualized Performance in Modernist Music Theatre" (2001, University of California Press)で、数々の受賞に輝く。Series Editor/ AMS Studies in Music (Oxford University Press)でもある。
"Cold War Diplomacy and Musical Japonsime"
W. Anthony Sheppard
At the end of the occupation in 1952, Japan emerged as a key U.S. ally and became a major destination for American composers, musicians, and ethnomusicologists. The number of transnational musical exchanges that occurred between Japan and the West during the Cold War is striking. I will focus on the role of musical diplomacy in U.S.-Japan relations and particularly on the influence of gagaku in works by such composers as Henry Cowell and Alan Hovhaness.
The 1961 Tokyo East-West Music Encounter further stimulated Western interest in Japanese music. My discussion of this major event is based on my research in the Congress for Cultural Freedom archives. In the U.S., popular Orientalism likewise kept public sentiment in line with American Cold War strategies. Similar techniques and influences appear in works of japonisme in jazz and Hollywood music. This is particularly evident in Franz Waxman's score for the 1957 film Sayonara.
Finally, I will note the longer term influence of the East-West Music Encounter by pointing to the presence of Japanese music at the University of California, Los Angeles and Wesleyan University. Japanese music instruction at these institutions profoundly influenced composers such as Paul Chihara, Lois Vierk, and Richard Teitelbaum. The reverberations of Cold War musical japonisme remain audible today.
■日本音楽学会西日本支部 第44回(通算395回)例会
(日本ポピュラー音楽学会関西地区2019年度第1回研究例会との合同)日 時 : 2019年1月19日(土)14:00〜
会 場 : 同志社女子大学今出川キャンパス 純生館 3階 301教室(正門入ってすぐ右に進んで最奥)
アクセス : 京都市営地下鉄烏丸線「今出川」駅下車徒歩5分、京阪電車「出町柳」駅徒歩10分
地 図 : http://www.dwc.doshisha.ac.jp/access/imadegawa/index.html
例会担当 : 仲万美子(同志社女子大学)
内 容 : シンポジウム
シンポジウム
音・機械・身体――レコードをめぐるアートの実践コーディネーター:
秋吉康晴(京都精華大学非常勤講師)
パネリスト:城一裕(九州大学)
ゲストパネリスト:dj sniff(アジアン・ミーティング・フェスティバル コ・ディレクター)
デジタル機器が多くのひとにとって生活の一部となっている現在、音楽は不可視のネットワーク上を光速で移動するデータの奔流となって、大気中に充満している。音楽を日常的に楽しむには、オーディオ機器さえもはや必要ではない。インターネットに接続された安価なPCかスマートフォンが一台あれば、十分である。その一方で、レコード(音盤)やカセットテープといった過去のメディアが再評価されつつあるという。ともすれば時代錯誤ともとれるこの現象は、しかし単なる懐古趣味によるものとは限らない。そこには、メディアの物質性が希薄化しつつある状況を背景にして、音楽を奏でる機械の具体性を想起し、ひいてはそれに触れる身体の感覚性を反省する契機が含まれてもいるように思われるからである。
こうした関心のもと、本シンポジウムで議論の題材として取り上げるのはレコードをめぐるアートの実践である。レコードの時代が終焉した現在だからこそ、レコードとはいったい何なのかを反省しつつ、創作に活用する作家はますます増えている。本シンポジウムではレコードの文化史を研究する秋吉康晴が司会進行を務め、パネリストにデジタル機器を駆使してレコードの定義を刷新してきた城一裕、ゲストパネリストにインプロビゼーションを通じてターンテーブルの演奏性を探求してきたdj sniff氏をお迎えし、レコードによって触発される音と機械と身体のダイナミックな関係性について考えてみたい。
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